芸能オーディションで「自己PRが必要」と言われたとき、頭が真っ白になった人は少なくありません。
特技もない、実績もない、自信もない──それでも、あなたには、ちゃんと“伝えたい気持ち”がある。
この記事では、そんなあなたが「自分の言葉で、想いを届けられる自己PR」を作れるように、ステップごとにわかりやすく案内します。
どんな不安もここで終わらせましょう。
そして一歩、前に進めるあなたになりましょう。
芸能オーディションで自己PRが必要な理由

あなたが“今のままの自分”で勝負できる場所が、芸能オーディションです。
自己紹介と自己PRの違い、知ってる?
自己紹介は「名前・年齢・出身地」などの基本情報。
自己PRは「なぜこの世界に入りたいのか」「どんな思いを持っているのか」を伝える場です。
つまり、“自己紹介”は事実、“自己PR”はあなたの物語です。
種類 | 内容の例 | 目的 |
---|---|---|
自己紹介 | ○○と申します。△△県出身です。 | 誰なのかを伝える |
自己PR | ○○がきっかけで演技を始めた | 何を大切にしてきたかを届ける |
この違いを意識するだけで、PRの質が一気に変わります。
芸能オーディションでPRが重視される理由
なぜ演技や実技だけじゃなく、言葉での自己PRが求められるのか?
それは、芸能の世界が“心を届ける仕事”だからです。
どんなに演技が上手くても、そこに感情がなければ伝わりません。
逆に、うまく話せなくても「この人の言葉、ちゃんと届いた」と思わせたら、それだけで光る存在になります。
芸能オーディションは、あなたの“現在地”より“可能性”を見ています。
その可能性を審査員に届ける手段が、自己PRなんです。
初心者でも印象に残せる自己PRとは?

覚えておいてほしいのは、「演技歴」や「特技」がなくても、自己PRはちゃんと届くということ。
印象に残るのは、“リアルな想い”がにじみ出ているPR。
たとえば──
悪い例(印象が薄い)
「私は明るくて元気な性格です。友達にもよく褒められます。」
良い例(印象に残る)
「緊張しやすい性格なのに、それでも人前に立ちたいって思った自分の気持ちを、大事にしたいんです。」
この“揺れ”こそが、あなたの人間らしさであり、審査員の心に刺さる部分です。
だから完璧じゃなくていいし、自信がなくてもいい。
それでも「本気で伝えたい」と思っていること──その気持ちが、自己PRの核になるんです。
このあと、いよいよ「刺さる自己PRの作り方」を5つのステップで解説していきますね。
刺さる自己PRを作る5つのステップと例文

自己PRに、正解なんてない。
でも、“その人らしい言葉”には、不思議と力があります。
書き出しでつまずかないためのコツと例文
自己PRでつまずく最大のポイントが“最初の一文”です。
多くの人がここで手が止まりますが、上手に書こうとしなくて大丈夫。
まずは、自分の心が動いた瞬間を思い出すことから始めましょう。
【書き出しのヒント】
- 自分が芸能に興味を持った「きっかけ」
- 誰かに憧れた体験
- はじめて人前で表現した記憶
【例文】
「高校の文化祭で、ステージに立ったとき、観客の反応が一瞬で空気を変えたのを感じて、“表現するってすごい”と思いました。」
「アニメのエンディングで涙が止まらなかった日、初めて“声”に心を動かされた気がしました。」
うまく話せなくても、その感情がリアルなら、ちゃんと伝わります。
自己PRに特技がなくても大丈夫な理由

特技がなくても、“自分を語れるテーマ”は誰にでもあります。
大事なのは、「自分が大切にしてきたこと」や「人からよく言われること」に目を向けることです。
日常のこと | 自己PRになるポイント |
---|---|
毎日家族に挨拶する | 礼儀正しく、人との関係を大切にする人柄 |
ゲームで声真似するのが好き | 表現に対する興味、遊び心 |
日記をずっと書いてる | 継続力、内省力、言葉の感覚 |
【例文】
「自分では特技と言えないんですが、毎日日記を書いています。気持ちを言葉にするクセがついたことで、役の気持ちにも自然と寄り添えるようになりました。」
小さなことでも、そこに“自分の思い”があるなら、それは立派なPR材料です。
“負けず嫌い”はこう語れば武器になる
性格的なキーワードも、伝え方ひとつで魅力に変わります。
「負けず嫌い」もそのひとつ。
ただ言うだけでは印象に残りませんが、“行動”とセットで話せばリアリティが出ます。
【例文】
「負けず嫌いな性格で、最初の発声練習で声が通らなかったとき、毎晩こっそり録音して聞き返しました。“昨日より1ミリでも前に”を意識して、続けています。」
結果じゃなくて、気持ちと向き合った過程にこそ、審査員は惹かれるんです。
インパクトより“届ける言葉”を優先しよう
笑わせたい、驚かせたい、印象づけたい──そう思うのは自然なこと。
でも、あなたが本当に届けたい言葉は、そこですか?
「うまく見せたい自分」じゃなく、「大切にしてきた気持ち」を話せば、自然と伝わります。
【伝えるときの3つの視点】
- 見せ場ではなく、真心
- 表現より、背景
- 飾りより、動機
そのほうが、むしろ印象に残る自己PRになります。
30秒で伝わる構成例【声優・女優別】

オーディションでの自己PR時間は、約30秒が一般的。
でも安心してください、詰め込む必要はありません。
伝えるべきは、以下の4つだけです。
- きっかけ
- 感じたこと
- 行動していること
- これからの想い
【声優志望の例】
「中学生のとき、アニメの声で救われた経験がありました。そこから“声で誰かを支える仕事がしたい”と思うようになり、今は週2回の朗読レッスンを続けています。自分の声で、誰かの背中をそっと押せる人になりたいです。」
【女優志望の例】
「ドラマで観た女優さんが“ただ立ってるだけで感情が伝わる”と感じた瞬間があって、あんな演技がしたいと思いました。現在は表情のトレーニングに取り組んでいて、“空気ごと変えられる女優”を目指しています。」
余計な飾りはいりません。
あなたの気持ちがまっすぐ届く30秒を、一緒に作っていきましょう。
芸能オーディションの自己PRまとめ

上手く話すより、“想いをまっすぐ伝えること”が、何よりも強い。
自己PRは「言葉」より「意図」が伝われば通る
オーディションに合格する自己PRには、共通点があります。
それは、「この人、自分の言葉で話してるな」と審査員が感じられる“誠実さ”です。
だから、完璧じゃなくていい。
詰まっても震えてもいい。
その中にある「伝えたい気持ち」こそが、あなたの強さになります。

演技がうまい人よりも、想いを大切にしている人のほうが、絶対に伸びる。
だからこそ、芸能の世界は“今のあなた”にもチャンスがあるんです。
ここまで読み進めてくれたあなたには、もう“伝える力”の土台があります。
あとは勇気を出して、あなたの声でその想いを届けるだけ。
言葉にするって、こわいことかもしれません。
でもそれは、きっと誰かの心を動かす、最初の一歩になります。
その一歩を、今日ここから踏み出してみましょう。